理事長あいさつ

ご挨拶

患者さんに寄り添いながら、
老若男女、貧富の差、肌の色の違いを問わず、すべての方が受けられる医療を目指して。

医療法人八事の森は、内科・小児科・在宅医療を行う「杉浦医院」を中心に、精神科・心療内科・内科を担う「鶴舞こころのクリニック」および生活困窮者への無料診察などを実施している「NPO法人ささしまサポートセンター」、労災事故や職業病になった方の相談にのる「名古屋労災職業病研究会」を運営し、老若男女、貧富の差、肌の色の違いに関わらず、私たちの医療と手当を提供できる体制を築いています。

はじまりは「杉浦医院」の前院長・杉浦裕先生との出会いでした。
杉浦先生にステージ4の胃癌が見つかり、手術を受けるに際して杉浦先生が行っていた野宿者の医療相談ボランティアのピンチヒッターを依頼されたときのことです。私は学生時代からホームレス支援に関わっていたため、その依頼自体は自然なことでした。ところがその後、杉浦先生から杉浦医院の継承してほしいという話が持ちかけられたのです。
自身の死と真摯に向き合っておられた杉浦先生の姿に心を打たれましたが、継承する責任の重大さに迷いもありました。杉浦医院を引き継ぐということは、クリニックだけでなく杉浦先生が行ってきたホームレス支援や名古屋労災職業病研究会などの多くの活動も引き継ぐということだからです。そんな私に杉浦先生は「一度に抱え込もうと無理をしなくていいよ。少しずつやってください」と言ってくださいました。

そうして私は覚悟を決め、杉浦先生とクリニックの診療を分担しつつ約3年の期間をかけて少しずつ活動を引き継ぎ、杉浦医院の院長となりました。また、名古屋労災職業病研究会の代表、笹島診療所をNPO法人化し、ささしまサポートセンターの理事長にも就任いたしました。

杉浦医院では前院長時代から訪問診療を行っていましたが、国の方針が在宅医療に力を置かれるようになったこともあり、現在では当時の約6倍の訪問診療を行うようになりました。そうして「杉浦医院」自体が成長したことで、2013年に「医療法人八事の森」を設立するに至ったのです。

さらに2019年6月には精神科分院として「鶴舞こころのクリニック」を開院しました。 これは2011年に発表された森川すいめい氏の研究や2014年にささしまサポートセンターが全日本民医連、岐阜大学医学部と協力して行った精神保健調査により、日本においてホームレス状態にある方が高い割合で精神知的障害を抱えていることが証明され、精神科疾患を抱える多くのホームレスの方々に対する精神科フォローが必要であることがわかったことによります。2016年4月より渡邉貴博先生を招いて精神科訪問診療および訪問看護を開始し、その渡邉先生を院長に迎えて「鶴舞こころのクリニック」を開院することができました。

医療法人八事の森はこれからも杉浦先生の遺志を受け継ぎつつ、患者さんに寄り添い地域に住むすべての方の心と体のケアを目指して、今後も一歩ずつ着実に歩みを進めてまいります。

医療法人八事の森
 理事長 森亮太

プロフィール

  • <所属団体・所属学会・資格>

    • ●医療法人八事の森 理事長
    • ●杉浦医院 院長
    • ●名古屋労災職業病研究会 代表
    • ●NPO法人ささしまサポートセンター 理事長
    • ●外国人医療センター 理事
    • ●日本内科学会
    • ●日本外科学会 外科専門医
    • ●日本癌治療認定医
    • ●日本プライマリ・ケア連合学会
  • <略歴>

    • 1970年生まれ。
    • 1998年に名古屋市立大学医学部卒業。
    • 宗教法人在日本南プレスビテリアンミッション淀川キリスト教病院で内科・小児科から救急、ホスピスでの緩和医療まで幅広く研修。
    • その後、名古屋市立東市民病院で外科医として勤務する。
    • 国立療養所恵那病院(現市立恵那病院)では、NST(栄養サポートチーム)を立ち上げる。
    • 名古屋共立病院、第1なるみ病院を経て2010年4月から杉浦医院の副院長として勤務し、2011年1月より杉浦医院院長となる。
    • 2013年、医療法人八事の森として法人化。
    • 2019年6月、精神医療を専門とする鶴舞こころのクリニックを開院。

主な活動

笹島診療所(現NPO法人ささしまサポートセンター)での野宿労働者の支援、外国人医療センターでの無料医療相談、名古屋労災職業病研究会での相談医としてボランティア活動にかかわっている。2016年9月、幻冬社より『長寿大国日本と「下流老人」』を出版。

  • 医療法人八事の森杉浦病院
  • 医療法人八事の森鶴舞こころのクリニック
  • NPO法人 ささしま サポートセンター